畠中光享
Kokyo Hatanaka
日本画家、インド美術研究家、真宗大谷派僧侶
インドから日本に至る仏教美術の伝来に造詣が深く、インドの民俗や仏伝など仏教を題材にした作品が多い。宗教家としてまた画家として、インドを中心とした歴史的な作品の研究を通じてテーマを見出し、絵画制作をもって絵の本質と生き方を考えることを信条とする。
1947年:奈良県に生まれる/1977年:第21回シェル美術賞/1978年:第1回東京セントラル美術館日本画大賞/1987年:第5回京都府文化新人賞/2002年:日経日本画大賞/2004年:第22回京都府文化賞功労賞/2014年:京都美術文化賞/2015年:京都市文化功労賞など、受賞歴多数
●元京都造形芸術大学教授
生家は奈良県の寺院。仏教系大学を卒業後、インド・ネパール・チベットを訪れ、仏教美術・細密画・染色(更紗)などインド文化を研究する。また若年より絵画を好み、美術研究と共に京都市立芸術大学にて日本画の技法を探求。
「もしかすると自分は思い出と夢だけを描いているのかもしれない。…思えば数えきれない程、インド・ネパールを旅してきた。…いつも目的のある旅であった。文化の匂いのない所には行きたくなかった。」
東洋美術の源流に触れるため、星空のもと野営しつつ寺院の壁画を模写する。現地の生活と自然から学ぶ姿は、あたかも遊行僧のようである。大地のエネルギーと深い星空を背景に持つ画業は、帰依の心であろうか。